フレンチやイタリアンのレシピでよく見かける「エシャロット」ですが、いざ作ろうと思うと近所のスーパーでは手に入りにくいことがあります。日本で一般的に流通している「エシャレット(生食用らっきょう)」とは別物で、玉ねぎのような見た目をした香味野菜です。代わりの食材を上手に使って、本格的な味を再現しましょう。
エシャロットの代用は何が近い?結論は「玉ねぎ系+香味」で再現しやすい
エシャロットは、玉ねぎの甘みとにんにくの香りを併せ持ったような独特の風味が魅力です。そのため、代用を考えるときは「玉ねぎ」をベースにして、そこににんにくや長ねぎなどの「香りが強いもの」を少量加えるのが最も近い味に近づける近道です。
玉ねぎより香りが優しく甘みが出やすいのが特徴
エシャロットは玉ねぎと同じヒガンバナ科の植物ですが、玉ねぎほど辛味が強くなく、加熱した際の甘みが非常に上品です。また、にんにくに近い香ばしさがありながら、にんにくほど後を引かない絶妙なバランスを持っています。このため、フランス料理のソース作りには欠かせない存在とされています。
代用品を選ぶ際は、この「優しい香りと強い甘み」を意識することが大切です。普通の玉ねぎを使う場合は、水にさらして辛味を抜いたり、弱火でじっくり炒めて甘みを引き出したりすることで、エシャロットの性質に近づけることができます。
また、エシャロットは玉ねぎに比べて水分が少なく、風味が凝縮されています。代わりの食材で料理を仕上げる際は、水分量に気をつけて加熱時間を調整すると、水っぽくならずに旨味を凝縮させた仕上がりを目指すことができます。
生で使うか加熱するかで代用品が変わりやすい
エシャロットをドレッシングやタルタルソースのように生で使う場合と、ステーキソースや煮込み料理のように加熱して使う場合では、選ぶべき代用品が異なります。生食の場合は、シャキシャキした食感とマイルドな辛味が重要になるため、赤玉ねぎや、水にさらした玉ねぎのみじん切りが適しています。
一方で、加熱調理の場合は「溶けるような柔らかさと甘み」が求められます。この用途には、普通の玉ねぎを細かく刻んだものや、長ねぎの白い部分が非常によく合います。長ねぎは加熱すると特有の甘みととろみが出るため、エシャロットが持つコクをうまく再現できるからです。
料理の工程のどの段階で投入するのかを考え、生なら「辛味の少なさ」、加熱なら「甘みの出やすさ」を基準に代用品を選んでみてください。用途に合わせた使い分けが、代用を感じさせない完成度の高い一皿を作るポイントになります。
みじん切りの細かさで風味の出方が変わる
エシャロットの代用として玉ねぎなどを使う場合、切り方にこだわるだけで風味が劇的に変わります。エシャロットは非常に繊維が細かいため、代わりの食材も「極みじん切り」にすることで、より本物に近い口当たりと香りを引き出すことが可能です。
特にソースのベースにする場合は、すりおろしに近い状態にするか、極限まで細かく刻むことで、他の調味料との馴染みが良くなります。粒が大きすぎると、玉ねぎ特有の主張が強くなりすぎてしまい、エシャロット本来の「素材を引き立てる奥ゆかしさ」が失われてしまうことがあります。
包丁で丁寧に細かく刻むことで、加熱した際に細胞から旨味が溶け出しやすくなり、代用品であっても本格的なフレンチのベースに負けない深い味わいを生み出せます。手間はかかりますが、この細かさが仕上がりを左右すると言っても過言ではありません。
料理の主役か脇役かで置き換えやすさが違う
エシャロットがその料理においてどのような役割を担っているかによって、代用の難易度が変わります。例えば、ステーキの付け合わせとしてエシャロットを丸ごとローストするような「主役」の料理では、玉ねぎで完全に代用するのは少し難しいかもしれません。
しかし、多くのレシピではエシャロットはソースの風味付けや隠し味としての「脇役」です。この場合は、代用品を使っても大きな違和感なく仕上げることができます。むしろ、身近な野菜を組み合わせることで、日本人好みの親しみやすい味わいに仕上がるというメリットもあります。
もし主役級の扱いでレシピに登場している場合は、玉ねぎの中でも小ぶりな「ペコロス」や、甘みの強い「赤玉ねぎ」の芯に近い部分を使い、見た目と食感の両面からエシャロットに寄せていく工夫をしてみましょう。
エシャロットの代用におすすめの食材まとめ
家庭で手に入りやすい食材の中から、エシャロットの代わりとして活躍するものを厳選してご紹介します。
玉ねぎ(みじん切りで万能)
最も汎用性が高く、どんな料理にも使える代用品の筆頭です。
| 商品名 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|
| 北海道産 北もみじ | 肉質が締まっており、加熱後の甘みが非常に強い | ホクレン公式 |
赤玉ねぎ(生食の彩りが合う)
辛味が少なく、生で使ったときの鮮やかな色がエシャロットに似ています。
| 商品名 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|
| 兵庫県淡路島産 赤たまねぎ | 非常に甘みが強く、サラダやマリネに最適 | JAあわじ島公式 |
長ねぎの白い部分(香りを寄せやすい)
加熱するととろみと上品な甘みが出るため、ソース作りに向いています。
小ねぎ・万能ねぎ(薬味向き)
生のまま散らすような用途であれば、その繊細な香りがエシャロットの代わりを務めます。
にんにく(少量で香りを補える)
玉ねぎに少量のにんにくを加えることで、エシャロット特有のパンチのある香りを再現できます。
らっきょう(甘みとシャキ感が近い)
甘酢漬けを洗って使うと、エシャロットに似た独特の風味と食感を楽しむことができます。
みょうが(香りを軽く足せる)
独特の清涼感があるため、魚介のマリネなどでエシャロットの代わりとして使うと面白いアクセントになります。
フリーズドライオニオン(手軽に香りを足せる)
水分が抜けて旨味が凝縮されているため、スープやソースにコクを出したいときに便利です。
料理別の置き換えコツと失敗しにくい調整ポイント
食材を選んだら、次は料理に合わせた使い方の工夫です。少しのポイントを押さえるだけで、代用品であることを忘れるほどのおいしさに仕上がります。
ドレッシングは玉ねぎ+少量にんにくでまとまりやすい
フレンチドレッシングやヴィネグレットソースにエシャロットが必要な場合は、玉ねぎのみじん切りに「にんにくのすりおろし」をごく少量加えるのがベストです。玉ねぎはできるだけ細かく刻み、布巾などで包んで水にさらした後、しっかりと水気を絞ってください。
この一手間で玉ねぎのツンとした辛味が抜け、エシャロットに近いマイルドな風味になります。にんにくは隠し味程度に入れることで、奥行きのある香りが生まれます。オリーブオイルやビネガーと合わせた後、少し時間を置くと味が馴染んでより一体感が出ます。
ソースは長ねぎや玉ねぎを炒めて甘みを出しやすい
赤ワインソースやクリームソースを作る際は、長ねぎの白い部分のみじん切りが活躍します。バターで透き通るまで弱火でじっくり炒めることで、長ねぎ特有の甘みが引き出され、エシャロットを使ったときのようなリッチなコクが生まれます。
玉ねぎを使う場合も同様に、決して焦がさないように注意しながら「汗をかかせる」ように炒めるのがコツです。水分が飛んで、玉ねぎがくたっとしてきたら調味料を加えます。最後にシノワ(こし器)でこすと、さらにレストランのような滑らかなソースに仕上がります。
マリネは赤玉ねぎで香りと見た目を整えやすい
魚介類や野菜のマリネには、赤玉ねぎが最適です。普通の玉ねぎよりも水分が多く柔らかいため、マリネ液との馴染みが非常に良いのが特徴です。また、赤玉ねぎの紫色はエシャロットの皮の色味にも通じるため、見た目の本格さも演出できます。
使用する際は、繊維に逆らって薄切りにするか、細かいみじん切りにしましょう。マリネ液の酸味(レモン汁やワインビネガー)と合わさることで、赤玉ねぎの色がより鮮やかに発色し、食卓を華やかに彩ってくれます。
代用量は少し控えめから足すと香りが強くなりにくい
玉ねぎやにんにくを代用として使う際、ついいつもの癖で量を多く入れてしまいがちですが、エシャロットの代わりにするなら「少し控えめ」から始めるのが失敗しないコツです。特に玉ねぎはエシャロットよりも水分量が多く、個性が強いため、入れすぎると料理全体が「玉ねぎ味」に支配されてしまいます。
まずはレシピに記載されているエシャロットの分量の8割程度から試してみて、足りなければ足していくようにしましょう。香りが足りないと感じたときは、食材を増やすのではなく、にんにくをひとさじ足したり、ハーブ(パセリやタイム)を添えたりすることで、香りの層を厚くするのが上品に仕上げる秘訣です。
エシャロットは代用品でも仕上がりを整えやすい
エシャロットが手に入らなくても、身近な玉ねぎや長ねぎに少しの工夫を加えるだけで、プロの味に近づけることができます。大切なのは、食材が持つ「甘み」と「香り」のバランスをコントロールすることです。
今回ご紹介した代用テクニックを使えば、レシピのハードルがぐっと下がり、家庭でも本格的な洋食を楽しめるようになります。ぜひお家にある野菜で、新しい美味しさを発見してみてください。
